2012年10月18日

素顔のモーツァルト

 
 
聖徳大学オペラ公演『フィガロの結婚』の公開ゲネプロを見学した。
 
演出は、いま立川のカヴァレリアでご一緒させていただいている十川稔先生。
先生らしく、シンプルですっきりとした舞台だった。
各人物の動きに細やかさと自然さ、そして必然性があって、実に切れ味ある演技。
歌も総じて安定していたが、伯爵の高橋祐樹さんとフィガロの青戸知さんが特に素晴らしかった。
 
音楽が始まるまで気が付かなかったのだが、今回の公演は「アリア以外は日本語による歌唱」とあった。
てっきり、レチタティーヴォだけが日本語で語られるのだと思っていたら…
第1幕冒頭、フィガロが部屋のサイズを測る場面は『…六尺…一間…よし!』といった歌詞で始まり、一瞬ビックリ。
(じきに慣れたけれど…)
 
スザンナとマルチェリーナの二重唱、若いスザンナが年増のマルチェリーナに "l'età! l'età!" (けっこうなお齢で!)と畳み掛けるところ、今日の訳では『婆さん!婆さん!』となっていて…
あまりにもダイレクトで思わず苦笑い。
 
音楽も演出も極度な自己主張をすることなく、互いに調和しながら進んでゆく物語…
そこから見えてくるものは、月並みだが
「モーツァルト作品そのものの美しさ」、
やはりこれに尽きる。
(そこがモーツァルトの「難しさ」でもあるのだけれど…)
そう思いながら聴いていると、何語で歌われているかなんて、ほとんど気にならなくなってくる。
 
アイディアや才気に寄りかからない、そんなモーツァルト演奏が僕は好きだ。
 
posted by 小澤和也 at 23:24| Comment(0) | 日記
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