![]() 藤原歌劇団「テノールの響宴」を聴く。 (20日、渋谷区文化総合センター大和田・さくらホール) 総勢8名の歌手による共演(競演!)。 第1部は歌曲、第2部はオペラのアリア… そして、プログラムにはない第3部はカンツォーネのオンパレード! これだけ大勢だと、それぞれの個性が際立ち、ただ聴いているだけで楽しくなってしまう。 ベテランのお二人、持木弘さんと永澤三郎さんの歌がやはりさすがの存在感。 ピアノの河原忠之さんも素晴らしかった。 「ピアノって…打楽器なんだなぁ」と思わずつぶやく。 それほどに多彩な音色と表情を持った、立体感のある伴奏であった。 お馴染みの作品が並ぶ中で、ひときわ 心に残った歌がある。 第1部で角田和弘さんの歌った 「ふたつなき道」(北門笙作詩/白樫栄子作曲)。 プログラムノートによると… 西郷隆盛の辞世の句「ふたつなき 道にこの身を 捨小船 波立たばとて 風吹かばとて」からインスピレーションを受けて書かれた詩なのだそうだ。 そして白樫さんは、以前演奏した「ある母親の物語」の作曲家。 暗く深い響き、和風ではあるが情緒に流れない曲想が印象的であった。 もう一度聴いてみたい作品。 数々の歌(全部で30曲近く!)を通して、それらを歌うお一人お一人の「姿かたち」が浮き上がって見えたような、そんなひとときであった。 |
2012年11月21日
テノールの"響"宴
posted by 小澤和也 at 08:26| Comment(0)
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