2013年02月22日

ブルックナー雑感

 
昨日、東京芸術劇場でブルックナー/第5交響曲(読響名曲シリーズ・下野竜也さん指揮)を聴いてから、頭の中がずっとブルックナー・モードである。
 
演奏を聴いて感じたこと。
前半2楽章はどちらかといえば静的な印象、端正な造型感覚に好感を覚えた。
続くスケルツォはメトリークが明快で実に鮮烈。
(特に中間部!)。
そして終楽章は一転、マエストロの創意工夫が満載。
 
オーケストラのサウンドも素晴らしかったな。(Hrnソロが絶品!)
ブルックナー演奏として限りなく理想的な響き。
Mr.Sの遺した大きな功績のひとつなの だろう。
 
今日はあれこれスコアを眺め、音源を確認したりして過ごす。
改めて思うことだが、ブルックナー演奏は指揮者が「何かやってやろう…」と思うところに危険をはらんでいるような気がしてならない。
表現としての "あざとさ" を排し、この作曲家独自の響きを肌で感じながらひたすらに愚直を通す…
これが僕のイメージするブルックナー像だ。
 
どの作曲家にも作風の変遷があるように、ブルックナーの作品にも年代によってカラーの差があるように思う。
この「第5」、番号こそ5番目であるが、僕らが一般に耳にする「第3」や「第4(ロマンティック)」の決定稿よりは成立が早いのだ。
《第5=1878年、第4第2稿=1880年、第3第3稿=1889年》
その意味で、第5交響曲は彼の「初期スタイル」の総決算と呼んで差し支えないだろう。
流麗で洗練された第7、あるいは第8交響曲と違ってゴツゴツしているが、そこがまた堪らなく魅力的なのだ。
 
この日は、正指揮者というポストでの下野さんの最後の演奏会だったとのこと。
楽員の皆さんが退場した後、下野さんの「ソロ」カーテンコール。
素敵な場面であった。
昨日の演奏は、オーケストラと指揮者によるこのうえなく幸福な共同作業であったと思われる。
 
 
posted by 小澤和也 at 00:45| Comment(0) | 日記
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