今日は、ハンガリーの名指揮者イシュトヴァン・ケルテス(1929-1973)の84回目の誕生日。 CD棚から取り出したのは、お得意のモーツァルトでもブラームスでもなく… ブルックナー。 ![]() ロンドン響との第4交響曲。 1965年10月、キングズウェイホールでのセッション録音。 ケルテスが遺したブルックナーはこの「ロマンティック」のみである。 【他に'64年3月の別録音(ライヴ)がある】 ブルックナーとケルテス。 イメージ的には結び付きにくい組み合わせであろう。 端的に言えば 「体脂肪率ヒトケタ台のブルックナー」だ。 楽譜に指定のないテンポの変動は一切無し。 オルガン的で重厚なサウンド作りも避けられている。 「らしくない」と言ってしまえばそれまでだ。 でも、一切の先入観を排してスコアのみを見つめたとき、ケルテスがいかにこの作曲家の魂に対して忠実に寄り添っているかに気付かされる。 一つ一つの音が無闇に引き延ばされないので、特に両端楽章では対位法の綾がこのうえなく明確に描き分けらていれるのだ。 淡々と流れる第2楽章、そしてひたすらに突き進む第3楽章では、その曲想とケルテスの持つ美質とが見事に合致している。 とりわけ、第2楽章の繊細な響きは何とも言えず美しい。 …というわけで、ユニークではあるが実に音楽的なケルテスのブルックナーなのだ。 彼の指揮で第3、第5あたりも聴いてみたかったものである。 追記) このTestament盤には「ハース版使用」と記されているのだけれど、僕が把握している幾つかの箇所を聴く限り、これはノーヴァク版による演奏である。 第3楽章トリオではフルート&クラリネットが旋律を奏でるし、第4楽章大詰めのトランペット&ホルンは付点リズム音型を吹き鳴らす。 (ハース版ではこうはならない) |
2013年08月28日
ケルテスのブルックナー
posted by 小澤和也 at 23:47| Comment(2)
| 日記



いつもながらの冷静なご分析、感謝と共に感服申し上げます。
ケルテス協会トップメンバーとして今後ともご指導賜りますよう、宜しくお願い申し上げます^ ^
コメント、拝読いたしました。
いつも拙ブログをご覧くださりありがとうございます。
かく言う私も、ヨッフム〜朝比奈ライン(いわゆる王道?)よりブルックナーに入門しましたゆえ、ケルテスのそれを初めて聴いた際には正直驚きました。
でもこの演奏、飽きることは決してないのですよね…
近くリリースされるベートーヴェン第8も楽しみですね!
こちらこそ、今後ともよろしくお願い申し上げます。