4月16日は、ハンガリーの指揮者イシュトヴァン・ケルテスの命日。
(1973年没)
最近リリースされたベルリンフィルとのライヴ録音を聴く。
(1962.8.11. ザルツブルク)
プログラムの最初はベートーヴェンの第8。
ディスクで聴くケルテスのベートーヴェン交響曲はこれで3曲目なのだが…どういうワケかいずれも偶数番。
(他に日本フィルとの第7があるが)
第1楽章はいわゆる楷書体の重厚な演奏。
冒頭、第1主題の末尾(第11小節)に微妙な「溜め」が感じられるところに時代を感じる。
オーケストラによる自発的なものかケルテスの解釈かは…よく分からない。
(余談だが、先頃ウィーンフィルと来日したティーレマンはこれを派手にやっていた)
第2楽章も折り目正しく、淡々と進む。
第29小節目のルフトパウゼに思わずニヤリ。
ちょっとした「隠し味」だ。
続く第3楽章は真にゆったりとしたメヌエットである。
計ったところ、四分音符≒100くらい。
面白かったのが、トリオに入ってもこの速さがほとんど変わらない点。
いかにもケルテスらしい実直さである。
(同じベルリンフィルと’57&'60年に録音したクリュイタンスの盤でこの楽章を聴くと…
メヌエット:112、トリオ:92-96
であった。)
フィナーレでもケルテスは落ち着いたテンポをとる。
なめらかな第2主題などで聞かれる高弦のレガート奏法に、何ともいえぬ艶やかさを覚えた。
(このオーケストラがカラヤンの楽器になりつつあることの表れ、とは考え過ぎだろうか)
全曲を通して、軽快さ、あるいは洒脱といった表現付けを狙わない、きわめてオーソドックスなベートーヴェン。
これがケルテスの「やり方」なのであろう。

