2018年07月13日

メロディスト・バッハ

 
 
18世紀前半、バロック音楽の最円熟期においてポリフォニーの語法を究め尽くしたバッハ。
音楽芸術を「神との対話」と考え、作曲に際して宗教的な視点を終生忘れることのなかったバッハ。
『バッハの音楽は、感覚の表層から深奥にまで届く、限りなくふところの深いものである。それだけに、それを究めてゆくためには、一定の知的な努力は避けて通ることができない。』
(礒山雅著「J.S.バッハ」より)
 
偉大な作曲家だということは解っている、だけれどどうにも近づき難い...
これが一般の方々の抱くバッハのイメージなのではないだろうか。
 
 
先日、とあるきっかけから「マタイ受難曲」の名アリア『憐れみたまえ、わが神よ (Erbarme dich, mein Gott)』を繰り返し聴く機会があった。
聴きながら、その日の僕はこんなことを考えていた。
[もし仮にこの歌詩や対訳を詳しく知らなくとも...聖書に立ち返ってその意味を解さなくとも...純粋にこの “旋律” に触れるだけでこれほどにも心が豊かになるのだな...]
 
そう、バッハは単に「対位法の大家」だっただけではない。
バッハはメロディストでもあったのだ。
(今さらここで力説することでもないけれど)
 
 
そんな今、僕の頭の中を流れる “メロディアスなバッハ作品” たちをランダムに挙げてみる。
 
・カンタータ第82番「われは満ち足れり」
〜『まどろめ、疲れた目よ』
目下 “イチオシ” である。
弦楽合奏と通奏低音によるたおやかな伴奏にのってバス独唱が歌う旋律はさながら子守歌のよう。
テキストも当然ながら深い意味を有するのだが、それを知るのはこのアリアを好きになってからでも遅くない。
 
・管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068
〜エア
言わずと知れた名曲。
僕が最初に好きになったバッハ作品のひとつ。
リヒター指揮のレコード (A面が組曲第2番だった...こちらも名演)、何度聴き返したろうか。
 
以下、タイトルのみ。
・パルティータ第1番変ロ長調BWV825
〜プレリュード
・フルートソナタロ短調BWV1030
〜第1楽章アンダンテ
・フランス組曲第5番ト長調BWV816
〜サラバンド
 
他にもブランデンブルク協奏曲第5番、有名なシャコンヌ (無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番)、平均律クラヴィーア曲集中のいくつかのプレリュードなど。
(これらの作品は多分にポリフォニックな要素も帯びているが)
 
 
こんな「入口」があってもいいと思う。
...バッハの世界へようこそ!
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 01:53| Comment(0) | 日記

2018年06月29日

吹奏楽部のシセ先生

 
#吹奏楽部のシセ先生
なるハッシュタグをつけたTwitter投稿が数日前からひっそりと盛り上がっているそうな。
 
「シセ先生」とは言うまでもなく、サッカーW杯・セネガル代表チームの監督、アリウ・シセ氏のことである。
ご覧のとおりのイケメン。
 
 
 
そんな彼のさまざまなポーズの画像と「吹奏楽部の顧問 (コーチ)」のイメージとを結びつけた方がいる。
なんという天才的着想!
一度言われると...もうそのようにしか見えない。
顔の表情、そして指先の細やかな動き!
 
 
僕もほんの思いつきで投稿してみた。
以下、拙作。
 
(ホルンは下手でボックス組むか...いややっぱり山台前列だな...)
#吹奏楽部のシセ先生
 
じゃもう一度 [S] の4つ前から。
...あ、バンダは休みでオッケー!
#吹奏楽部のシセ先生
 
うん...みんないい音してるよ...
コイツらももう卒業なんだな...
#吹奏楽部のシセ先生
 
 
Twitterアカウントをお持ちのみなさまはぜひ上記タグで検索を!
ジワジワくるたくさんの名作(?)をご覧ください。
吹奏楽経験者はもちろんのこと、そうでない方々にもお楽しみいただけるかと。
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 00:48| Comment(0) | 日記

2018年05月29日

歌声と笑顔と

 
江戸川区 第39回中央地域まつりに
合唱団あしべのみなさんと参加しました。
(27日、東小松川公園)
 
瀧廉太郎/花
フォスター/夢路より
ロジャース/サウンド・オブ・ミュージック
 
ここ数ヶ月間じっくりと歌い込んできた愛唱曲を特設ステージにて披露しました。
 
 
 
そして演奏終了後。
 
 
笑顔、笑顔、笑顔...
 
僕にとって最高の ”ご褒美“。
 
あしべのみなさん、今回もお疲れさまでした。
これからも楽しく音楽しましょう!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 23:58| Comment(0) | 日記

2018年04月27日

今月の #ダバダー その4

 
 
今月も引き続き、飲んだ珈琲についてのメモを。
ボキャブラリーに乏しいので、書いているうちにどれも同じような表現になってしまい結局区別がつかない...となりそうな気もするが。
(これまで同様、星の数はあくまで主観的かつ気まぐれな指標である)
 
 
【パナマ/ドンパチ農園 ティピカ】
パナマ西部、コスタリカとの国境に近いボケテ (Boquete) 渓谷のカジェホンセコ地区にある農園。
ドンパチとは、創業者の愛称ドン・フランシスコの短縮形なのだとか。
 
封を開けた瞬間に漂う柔らかく心地良い香りに魅了される。
味は思いのほかやや強め...苦みと甘みとが同時に到達。
木の実を思わせるような独特の後味。
★★★★☆
 
 
【ブラジル/シティオ・ド・ヴァルディール】
Sitio do Valdir、直訳すると「ヴァルディールさんの農園」。
調べたのだがほとんど分からなかった。
それらしき場所がミナスジェライス州レゼンデコスタという所にあるらしい。
(地図上でRJ=リオデジャネイロ州、その北のMGがミナスジェライスのようだ)
 
舌の上に広がるナッツのような香ばしさとコク、そのあとにほんのりと甘みも感じられる...すっきりとした味。
(はじめ、いつものやり方で淹れたらどことなくボンヤリとした味になってしまった。そこで豆を10→12gに増やし、湯温も普段より2℃上げて再度試したところ劇的に美味しくなったのだった)
★★★☆☆
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 22:25| Comment(0) | 日記

2018年04月21日

ペーテル・ブノワ『盛儀のミサ』から10年

 
今年の4月20日は
僕にとっての記念日である。
 
 
10年前のこの日、我がペーテル・ブノワの “Hoogmis” (盛儀のミサ) 日本初演が行われた。
 
2008年4月20日(日) 長岡市立劇場大ホール
テノール:小原啓楼
合唱:長岡市民合唱団、法政大学アカデミーOB合唱団
管弦楽:東京シティフィル
指揮:船橋洋介
 
僕は合唱団トレーナーおよび副指揮者としてこの公演に携わった。
 
 
この作品との出会いが、僕がペーテル・ブノワという作曲家を知るきっかけであった。
以来、彼の生涯そして音楽を究めることが僕にとってのライフワークとなっている。
 
 
この”Hoogmis”、本国ベルギー以外ではほとんど知られていない。 
そんな ”秘曲“ の楽譜を入手するにあたっては、合唱団メンバーの並々ならぬ努力があった。
 
ともかくアントウェルペンからスコアが届く。
しかし合唱譜 (ヴォーカルスコア) は無い。
無ければ作るしかない。
「では私が作りましょう」
何かに導かれるように手を挙げた。
 
 
気の遠くなるような作業。
だが今となって思えば...
なんと楽しく、幸福な時間であったことだろう。
 
 
ヤン・デウィルデさん。
ペーテル・ブノワが設立した王立音楽院の音楽資料館長。
(楽譜を探していた合唱団メンバーが最終的にたどり着いたのがヤンさんだった)
“Hoogmis” 日本初演にあたって合唱団が彼をアントウェルペンより招聘、リハーサルから公演まで立ち会っていただいたのだった。
 
...思い出は尽きない。
 
 
ペーテル・ブノワの音楽を
日本にもっと響かせたい!
これが僕の、これからの音楽人生における目標である。
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 01:56| Comment(0) | 日記

2018年04月17日

イシュトヴァン・ケルテスの命日に

 
 
 
今日はハンガリーの指揮者、イシュトヴァン・ケルテスの命日。
(1929.08.28.-1973.04.16)
 
一日の終わりに何か聴こうと思い、取り出したのがこのディスク。
 
 
§ベートーヴェン/交響曲第4番&序曲集
 
バンベルク響とのセッション録音 (オイロディスク原盤) である。
しかし、今日の “おめあて” は交響曲でなく...
最後に収められた「エグモント」序曲。
1960年3月、ケルテスがメジャーになる直前 (ウィーンpoとのあの『新世界より』をレコーディングしたのが1961年3月) の演奏ということになろうか。
 
感情に溺れず、奇を衒ったところの一切ない「真っ直ぐな」ベートーヴェン演奏だ。
Sostenuto, ma non troppoの序奏部においてもインテンポを基調とし、弦楽器の強奏による主要モティーフの連打も重苦しさとともに「造形の美しさ」を感じさせる。
 
 
Allegroの主部、長いクレシェンドの後の最初のクライマックス (66小節〜)。
ヴァイオリンの上行旋律 (f-g-as-b/g-as-b-c/as-b-c-des-des-e-f) が圧倒的な存在感を示す中で、ケルテスはヴィオラの反行形をしっかりと響かせる。
 
 
さらにあと一つ、些細なことなのだが不思議と耳に残った箇所がある。
コーダ、Allegro con brioから「勝利のシンフォニー」が始まる...その307小節〜はエグモントの魂の勝利とそれを讃える民衆の喝采の場面。
ヴィオラ・チェロおよびファゴットが四分音符でうねるような音形を奏で、それを補強するように4本のホルンがf音/g音を吹くのだが、ケルテスはこれをあたかも余韻たなびく鐘の音の如く響かせる。
そしてスコアを見ると...
確かにホルンは (ほんの少し長めの) 付点四分音符で書かれているのだ。
ケルテスの楽譜の読みの深さに改めて驚嘆するばかりである。
 
 
ケルテスの「エグモント序曲」には僕の知る限りこれ以外に2つの記録がある。
 
2) ロンドン響 1964/3/13 Live
3) 日本フィル 1968/5/1 Live ※DVD
 
3種類もの同曲異演が遺されているというのはケルテスにしては珍しいのではないか?
2)、3) ともにライヴ収録ということもあって、それぞれに独自の表現が施されているように思える。
それらを聴き比べるのもまた一興であろう。
 
 
 
posted by 小澤和也 at 01:50| Comment(0) | 日記

2018年04月13日

念願のカフェバッハ訪問

 
以前からずっと気になっていた珈琲店へ。
南千住駅から吉野通りを浅草方面へ10分ほど歩く。
正面にスカイツリーの姿が。
 
 
そして到着。
自家焙煎珈琲屋 バッハ。
 
 
カウンター席へ。
スタッフの方 (こういったお店の場合でもバリスタとお呼びしてよいものだろうか) がお一人で、次々と入るオーダーを手際良く捌いていらっしゃる。
そんなプロの技術を目の前でしかと拝見。
注文したのはマンデリン・タノバタック...やはり僕にとっての “好みのど真ん中” から。
 
 
買ったばかりの本を読みながらゆっくりといただく。
期待通りの香ばしさとまろやかなコク。
こうなるともう一杯飲んでみたくなる。
ドミニカ/ハラバコアをオーダー。
 
 
思いのほか強い、フルーティーな酸味。
先日別の珈琲豆店で同じ銘柄を購入し自宅で淹れたときには「ほのかな甘み&穏やかな酸味、のちに苦みがやってくる」といった印象だったのだが。
 
やはり奥が深いな、珈琲道。
 
スタッフの方の一連の所作、ことにコーヒーポットの扱いは少しの無駄もなく美しい姿であった。
真似するだけでも美味しく淹れられるのではないかしらと錯覚するほど。
 
この後、錦糸町まで足を伸ばした。
言問橋より東武線の鉄橋を臨む。
 
 
どんどん近くなるスカイツリー。
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 00:27| Comment(0) | 日記

2018年04月04日

木下杢太郎の詩を味わう

 
(大正5年 春)
 
ここのところ木下杢太郎の詩を読んでいる。
詩人であり劇作家、美術史研究家、そして皮膚科の医学者でもあった杢太カ (本名:太田正雄) は1885年、静岡県伊東の生まれ。
13歳で上京、その後東京帝大医科大学へ進む。
在学中より与謝野鉄幹・北原白秋らと親交を深め、活発な創作活動を展開した。
その作風は異国 (南蛮) 情緒的な華やかさ、そして浮世絵を愛でるがごとき江戸の粋を感じるものである。
 
僕がまず手にしたのは岩波文庫「木下杢太カ詩集」(河盛好蔵選) であるが、その始めのほうに収められていた『珈琲』という詩にふと目が止まった。
【以下、第一書房版『木下杢太カ詩集』(昭和5年刊) より引用。原文においてはほぼすべての漢字にルビが振られているが、ここではその大半を省略した。また旧漢字は現行のものに改めた】
 
 
珈琲
 
今しがた
啜つて置いた
MOKKA(もか)のにほひがまだ何処やらに
残りゐるゆゑうら悲し。
曇つた空に
時時は雨さへけぶる五月の夜の冷(ひやこ)さに
黄いろくにじむ華電気(はなでんき)、
酒宴のあとの雑談の
やや狂ほしき情操の、
さりとて別に是といふ故もなけれど
うら懐しく、
何となく古き恋など語らまほしく、
凝(ぢつ)として居るけだるさに、
当もなく見入れば白き食卓の
磁の花瓶(はながめ)にほのぼのと薄紅の牡丹の花。
 
珈琲(かふえ)、珈琲、苦い珈琲。
 
 
この夏、農工大グリークラブと男声合唱組曲『木下杢太カの詩から』(多田武彦作曲) を演奏する。
折にふれそれらの詩について書いてみたいと思う。
posted by 小澤和也 at 22:13| Comment(0) | 日記

2018年03月30日

今月の #ダバダー その3

 
 
今月飲んだ珈琲についてのメモを引き続き。
(これまで同様、星の数はあくまで主観的かつ気まぐれな指標である)
 
 
【グアテマラ/ウェウェテナンゴ コンポステラ】
中米の北(西)端の共和国、グアテマラ。
ウェウェテナンゴはその西部に位置する。
ラテン語の “campus”(平原) “stella”(星) がコンポステラの名のいわれとか。
フルーツのような甘みと豊かなコク、追って爽やかな苦み。
店頭で試飲させていただき、(おっ、これは!) と思い購入した。
好きな味。
★★★★☆
 
 
 
【インドネシア・スマトラ島/マンデリン タノバタック】
いま思えば僕にとって「珈琲道」の入口となった品種。
とはいえ、当時は単に「酸味よりは苦みのほうが好きだな」といった浅いレベルだったけれど...
 
スマトラ島の北部に世界最大のカルデラ湖であるトバ湖がある。
その南東部に位置するリントン地区、そこに住むバタック族が栽培するコーヒーとのこと。
 
香ばしさとともにチョコレートのようなまろやかなコク、そしてそれらの奥にほのかな甘さを感じる。
今回この豆を購入してから試行錯誤の連続。
湯温を下げ(82℃台)、淹れる湯の細さにも気を配ってようやくこの繊細な味に。
(正直に告白すると、ここに到達するまでの数杯はただただ “苦い” だけであった)
 
上記グアテマラとはまったく異なるテイストだが、これはこれでやっぱり好きな味だ。
★★★★☆
 
 
あとひとつ、パナマのコーヒーをお試しにと頂戴したのだが、肝心の味を理解する前に豆を使い切ってしまった...
このメモ書きは次回に。
 
 
 
posted by 小澤和也 at 08:44| Comment(0) | 日記

2018年03月22日

農工グリー sings かなうた第2集

 
東京農工大学グリークラブの演奏をYouTubeにアップロードしました。
 
今回ご紹介するのは
北川昇作曲/みなづきみのり作詞
女声合唱のための「かなうた 第2集」です。
 
1. ひみつ
2. とり
3. うそ
4. うそつきうさぎ
5. ゆび
 
 
全5曲、16分ほど。
音声のみですが、若きメンバー達のピュアな歌声をホールの豊かなひびきとともにお楽しみいただければ幸いです。
 
東京農工大学グリークラブ
第37回演奏会
2017. 7. 2.
小金井 宮地楽器ホール
指揮:小澤和也
 
 
 
posted by 小澤和也 at 20:46| Comment(0) | 日記