2017年10月13日

珈琲庵のこと

 
 
以前よく通っていた、高校同窓の先輩Sさんが鎌倉市内で営まれていた珈琲店が閉店されたとの報を聞く。
 
 
 
淋しい。
 
 
モーツァルトやショパンが静かに流れる、あたたかく落ち着いた居心地のよい空間。
内装は昔ながらのスタイル...店内はもちろん禁煙でも分煙でもなかったが、不思議とほとんど気にならなかった。
 
 
 
ノスタルジックな雰囲気を醸す、店内に設えられた電話ボックス。
内側からだと開け方にちょっぴりコツの要ったお手洗いの扉も、いまとなっては懐かしいばかりだ。
 
 
この春に円覚寺を訪れた帰りに立ち寄ったのが、結果的に最後の機会となってしまった。
 
もう一度行きたかったな。
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 23:06| Comment(0) | 日記

2017年10月06日

拙訳 天使の糧

 

"Panis angelicus" (天使の糧) は、セザール・フランクが1872年に作曲し、既存の『3声のミサ曲イ長調』に自ら追加した楽曲である。
オリジナルはテノール独唱およびチェロ、ハープ、オルガンのために書かれているが、その美しいメロディとハーモニーはミサ曲中でもひときわ光を放っており、単独の小品としても様々なスタイルで演奏され、歌われている。
(余談だが、僕がこの曲を初めて知ったのは吹奏楽のための編曲版であった...アルフレッド・リードのアレンジが実に素晴らしい)

テキストは中世イタリアの哲学者・神学者、トマス・アクィナス作の賛歌 "Sacris solemnis"から採られている。
 
 
§ Panis angelicus 

Panis angelicus
fit panis hominum;
Dat panis coelicus
figuris terminum:
O res mirabilis!
Manducat Dominum
pauper, servus et humilis.


期するところあり、このたび僭越ながら訳詞を試みた。
この愛すべき佳品に心からの敬意をもって。


§ 拙訳 天使の糧

天使の糧を
人の子らに
天つ糧の
奇(く)しき徴(しるし)
イエス御身をば
与え給う
貧しき 主の僕(しもべ)に


 
posted by 小澤和也 at 20:15| Comment(0) | 日記

2017年10月03日

校歌をうたう楽しみ、うたえるよろこび

 
 
第12回青春かながわ校歌祭に今年も参加。
(9/30、厚木市文化会館)
 
 
本番前、会場地下のリハーサル室にて声出しと最終確認練習。
総勢35名 (ピアニスト、指揮者含め) による、校歌をこよなく愛するメンバーによる混声合唱団がここに結成。
 
今回の校歌祭では特別出演として、福島県立富岡高校 "母校で校歌を歌い隊" が遠路はるばるいらしてくださった。
 
 
"歌い隊" の代表、青木淑子さんによる心のこもったスピーチに続き、"歌い隊" のみなさんが登壇。
明るく美しい富岡高校校歌がホールに響いた。
 
 
「校歌が人と人の心を結びつけます」
青木さんの言葉が忘れられない。
 
そしてわが母校のステージも無事終了。
あたりまえのように集まって大好きな校歌をうたえる...これが実はとても貴重なことなのだということを改めて心に留めながら指揮をした。
 
 
 
オンステージ後の記念撮影。
達成感と解放感に浸る顔、顔、顔。
ご参加のみなさま、お疲れさまでした。
また来年も楽しくやりましょう!
 
 
 
posted by 小澤和也 at 23:46| Comment(0) | 日記

2017年09月29日

天文台のポストカード

 
 
いつものブックカフェで素敵なポストカードを見つけた。
国立天文台三鷹「登録有形文化財」を描いた10枚セット。
イラストは桑江美実さん。
 
バラで数枚ディスプレイされているのを偶然手に取ったのが出会いのきっかけ。
(最初はこれらが天文台関連のイラストであることすら分からなかったのだが)
 
 
やわらかな線と優しい色づかい。
同時に、絵に添えられた (むしろ絵と "一体となった" と言うべきか) ローマ字の表記が目を引いた。
 
Gautier Shigokanshitsu
 
ゴーチェは良いとして。
シゴ...カン...シツ...これって何?
カードの裏面を見ると『ゴーチェ子午環室』と...納得!
 
こうなると他のカードも見たくなるではないか。
 
 
Dai sekidou gishitsu =『大赤道儀室』
 
そのほか
Taiyou bunko shashin gishitsu
=『太陽分光写真儀室』
Gautier shigokan dai-ichi shigosen hyoushitsu
=『ゴーチェ子午環第一子午線儀室』etc.
天文学用語の知識が全くない僕にとっては実に新鮮な "ことばのひびき" であった。
 
書棚の奥に10枚セットが置かれていたので、迷わず購入と相成った次第。
飾るのも、使うのも楽しみである。
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 14:52| Comment(0) | 日記

2017年09月15日

珈琲な昼下がり

 
行きつけのブックカフェのご主人Tさんのご厚意により、仕入れに同行する形でとある自家焙煎珈琲豆のお店を訪れた。
 
 
迎えてくださったのは店主のSさん。
こじんまりとした店内に大きな焙煎機と木のテーブル、そしてこだわりの豆がずらりと並んだ棚が。
 
 
さっそく試飲をさせていただく。
これほどに甘みを感じるブラジルは初めてだ。
 
 
「フィルタの紙質で味は変わります」
(Sさん談)
 
 
あらゆる所作にSさんの珈琲への深い愛情がひしひしと感じられる。
 
 
美味しく淹れるための技術やコツを惜しげもなくあれこれ伝授してくださるSさん。
三人のお喋りは珈琲の話からいつしか音楽談義へと…
緩やかな時間が流れてゆく。
BGMはバッハのオルガン曲。
 
 
コロンビアや僕の好きなマンデリンも良かったのだけれど、一口めのインパクトが忘れられず、今回はブラジルを購入。
あのときの味を自分でも出せるようになりたいものだ。
 
 
posted by 小澤和也 at 23:13| Comment(0) | 日記

2017年09月10日

「蜘蛛の糸」、そして生キノマキ

 
 
「魅惑の室内楽 Vol.4」を聴く。
(5日、東京建物八重洲ホール)
 
ピアニスト・平野裕樹子さんの主宰によるコンサートシリーズも4回目。
この日のプログラムは僕の好きなシューベルト、シューマンそして木下牧子作品ということで大いに期待して出かけたのだった。
 
はじめに木下牧子の歌曲を3曲。
『無駄を削ぎ落とし、厳選されたシンプルな音使い』とプログラムノートにあるように、各々の詩の持っている "大きさ" と音楽のそれとがぴたりと合っている、そんな心地良さを感じることができた。
ソプラノ針生美智子さんの優しい言葉の扱いとしっとりとした声に魅了される。
 
続いてシューマン/アダージョとアレグロ op.70が演奏された。
オリジナルはホルンとピアノのための二重奏曲。
僕は他にチェロ&pf、オーボエ&pfのアンサンブルで聴いたことがあったのだが、今回のクラリネット&pfという組み合わせは初めてである。
人見剛さんのクラリネットは実に表情豊か、平野さんとの呼吸も見事で、シューマン独特の揺蕩うような楽想をたのしんだ。
その一方で、基本的にはヴィヴラートを用いないこの楽器のハンディキャップを感じざるを得ない瞬間があったことも否めない。
 
前半のラストはシューベルト/岩上の羊飼い D965。
まさにこのコンサートのタイトル「魅惑の室内楽」を象徴するようなインティメイトな演奏であった。
ソプラノとクラリネットに寄り添いつつ全体の流れを統べていた平野さんのピアノが印象的。
 
プログラム後半は最も楽しみにしていた木下牧子/音楽物語「蜘蛛の糸」。
器楽の前奏とともにクラスターチャイムを携えてゆっくりと入場する針生さんの姿が見えた瞬間から、聴衆はあっという間に芥川龍之介の世界へ、極楽と地獄との隣り合う異次元の空間へ誘われる。
ソプラノは歌と朗読を兼ねる大活躍。
針生さんの美しい声が天上の静謐な空気を余すところなく表現し、クラリネットとピアノは蓮の花の白や血の海の深紅、蜘蛛の糸の銀色を巧みに描く。
素晴らしい作品…これはぜひまた聴きたい。
 
演奏が終わって気づいた。
客席やや後ろ寄り、僕のすぐ斜め前に木下牧子さんが座っていらしたのだった。
(こんな書き方は気恥かしいのだが) 初めての "生キノマキ" にひとり静かに興奮してしまったことをここに告白しておく。
 
平野さん、素敵な演奏会をありがとうございました。
 
 
posted by 小澤和也 at 00:34| Comment(0) | 日記

2017年09月05日

恒例の専フィル夏合宿

 
専修大学フィルの合宿へ。
(9/1〜2、河口湖)
 
新宿駅南口のバスターミナルに早く着いたので、ブルーボトルコーヒーへ立ち寄る。
 
 
 
この店の "見せる" 演出が好きだ。
 
 
 
今年も「ひびき」で合奏。
 
 
曲目は
ヴァーグナー/『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕前奏曲
ドヴォルザーク/チェコ組曲
ドヴォルザーク/交響曲第9番『新世界より』
 
短い時間でできることは限られている。
今回も「音色」により明確な意識をもつことを求め、そして "合奏の前段階 (自主練、パート練 etc.) をいかに充実させるか" を伝えることを心がけた。
 
プローベ終了後は恒例のアンサンブル大会。
 
 
チャレンジ精神に大拍手。
(ハダット/組曲)
 
 
弦楽合奏、今回は弓不使用。
(アンダーソン/Plink, Plank, Plunk)
 
 
専フィルのみなさん、お疲れさまでした!
 
 
 
posted by 小澤和也 at 00:40| Comment(0) | 日記

2017年08月31日

エスプレッソ

 
 
ポータブルのエスプレッソメイカーが我が家へやってきた!
さっそく英語の取説と闘いながら、"しくみ" の理解に努める。
 
細かく挽いた深煎りの珈琲豆をフィルタに押し固めるように詰め、そこへ圧力を加えた熱湯を
通して抽出する...
これがエスプレッソ (という淹れ方) の大まかな原理だそうだ。
 
 
各パーツはこんな感じ。
シンプルな構造ながら、上の原理にまこと忠実なマシンである。
 
何度か試行錯誤を繰り返しながら、たったいま淹れたエスプレッソがコレ。
 
 
店の味...とまではいかないが、なかなかの美味。:-)
 
 
 
 
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2017年08月25日

"三大交響曲" 考

 

Twitter上で
#自分にとっての三大交響曲
という面白いハッシュタグを見つけた。
皆さん思い思いに好きな作品を挙げていらっしゃる...実に楽しそう。

日本で三大交響曲といえば『運命』『未完成』『新世界』と相場が決まっている...らしい。
これはいつ頃からなのだろう。
(そして現在でも?)
 
 
そこで僕もちょっと考えることにする。
僕にとっての三大交響曲。
とりあえず思いつくものをポンポンと並べてみた。

§ハイドン:104番 (ロンドン)
§モーツァルト:41番 (ジュピター)
§ベートーヴェン:5番 (運命)、9番
§シューマン:2番
§ブルックナー:5番、8番
§ブラームス:4番
§マーラー:6番 (悲劇的)、9番
§シベリウス:6番、7番

できるだけ「一人一曲」を心掛けたのだが...なかなか難しい。


いきなり8名12曲である。
仕方ない...絞り込みに入ろう。
第一次選考は作曲家本位で。

まずはハイドン。
いわゆる「ザロモン交響曲集」だけでなく、彼の中期、特に40番台あたりの作品も実に魅力的なのだが、今回は (次回はあるのか?) 盟友モーツァルトに代表してもらうことにする。
シューマンも個人的には大好きなのだけど、こうして他の作曲家の傑作と並べてみると...
ということで、涙を飲んで篩にかける。

さてここで、自分でもびっくりするような感情が湧き上がるのだ。
ブラームスである。
彼が大作曲家であり、その第4交響曲が名作であることは言うまでもない。
ただ、ここに挙がっている他の作曲家達の、時代を下るとともに際立っていった強烈な個性を思うとき...
(この先はうまく言葉にできない)

この時点で
§モーツァルト (41)
§ベートーヴェン (5、9)
§ブルックナー (5、8)
§マーラー (6、9)
§シベリウス (6、7)
の5名に絞られた。
(シューマン&ブラームスのどちらも切ってしまったことについては、繰り返しになるが自分でも驚いている...今後考えが変わることも大いにあるだろう)


第二次選考は困難を極め...
と思いきや、意外にもあっさりと決まってしまった。
否、正直に書くならば、僕が選んでいたのはいつの間にか
#自分にとっての三大交響曲作曲家
になってしまっていたのだ。

<結果発表>
§ベートーヴェン 交響曲第9番
§ブルックナー 交響曲第8番
§シベリウス 交響曲第6番

ここまできたらベートーヴェンは『第九』を採るしかあるまい。
ブルックナーの2曲については、
「バッハの受難曲、マタイとヨハネどっちがいい?」という問いかけと同じだ。
シベリウスに関しては...全くもって個人的な愛着の度合いで選んだものである。
何しろ、予備知識ゼロで初めて聴いたとき (FM放送、カム指揮ヘルシンキフィルの初来日公演) から大好きになってしまった曲なのだから。

 
<追記>
もし ("五大交響曲" にしてもいいよ) とお許しが出るならば、
§モーツァルト 第41番
§マーラー 第9番

の2曲を加えたい。
posted by 小澤和也 at 00:42| Comment(0) | 日記

2017年08月17日

我がペーテル・ブノワの誕生日に

 

今日8月17日はベルギーの作曲家ペーテル・ブノワ (1834-1901) の誕生日。
 
世代的にはブラームス (1833-97) とほぼ同じ。
ベルギー生まれという繋がりではセザール・フランクと共通である。
(ただしフランクはワロン人)
また祖国とその文化を愛し、それらの要素を作品に反映させたという点ではドヴォルジャークやシベリウスと一緒だ。
 
しかしブノワはその後半生を、フランデレンにおける "母国語による" 音楽教育推進のための運動に捧げた。
それゆえ、作曲家としては未だマイナー的存在なのだ。
 
けれども、20〜30代に書かれた作品には真に素晴らしいものが多い。
二重合唱を駆使した宗教曲、フランデレンの古い伝説からインスピレーションを得たピアノ曲やフルート協奏曲など。
 
これからも僕のライフワークとして、我がペーテル・ブノワの楽曲が少しでも親しまれてゆくよう努力したいと思う。
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 23:26| Comment(0) | 日記