2018年12月01日

合唱団あしべと『四季の雨』

 
 
金曜日は合唱団あしべのレッスンへ。
かれこれ20年近くご一緒している女声コーラスグループである。
 
秋の本番 (江戸川区合唱祭) を終え、先月から新たに手掛けている唱歌『四季の雨』。
素朴な味わいの旋律、穏やかにそして情感をこめて綴られた詞をもつ美しい歌だ。
 
 
降るとも見えじ、春の雨、
水に輪をかく波なくば、
けぶるとばかり思はせて。
降るとも見えじ、春の雨。
 
 
昨日は練習の合間にふと思いついて、ダーク・ダックス&中澤桂さんの歌う同曲を聴いていただいた。
(スマートフォンとYouTubeに感謝...便利な時代になったものである)
「ダーク・ダックス、ほんとうに優しい歌声ですね」
「とっても素敵ねぇ、中澤先生」etc.
メンバーから歎声があがる。
 
 
 
「ではもう一度歌いましょうか」
すると驚いたことに、皆さんの表情が実にいきいきと変貌しているではないか!
潜在していた表現意欲が目覚めたかのような艶やかな歌声。
まさかこんな “化学反応” が起こるとは!
 
歌い終えて。
「びっくりするほど上手になりましたね!
ライバル意識が芽生えましたか?」
「はい...大いに刺激を受けました」(アルトHさん)
一同爆笑。
ともあれ、とても佳い時間となった。
 
 
ところがこの動画 (原田泰治さんのグラフィックデザインがこれまた美しい)、どういうわけか3番 (をりをりそそぐ秋の雨...) までしか歌われていない。
僕もうっかりそれに気付かずお聞かせしてしまった。
再生が終わってから皆さん顔を見合わせ
「“冬”も聴きたかったわねぇ(笑)」
 
 
その後、4番まで収録されているものをネット上で見つけた。
(同じアレンジだが歌っているのはダーク・ダックスのみ)
先のものよりもテンポがゆったりとしている。
次の機会にはこれをあしべの皆さんに聴いていただこうかな。
 
 
posted by 小澤和也 at 01:31| Comment(0) | 日記

2018年11月16日

「リゴレット」との一週間

 
 
『立ち稽古なんですけれど...
一日だけ代わりをお願いできないでしょうか』
 
同業のTさんからご連絡をいただいたのはとある月曜の夜だった。
「いつですか?」
『来週の火曜日なんです』
 
(ずいぶん急だな...) などと思いながら手帳を開く。
この日はちょうど空いていた。
「曲は何ですか?」
『リゴレットです』
「!!」
 
なんと!
未だ振ったことも勉強したこともない作品だ。
(一週間か...間に合うのか、務まるのか etc.)
頭の中でぐるぐると答えの出るはずもない計算をしつつ、とっさに口をついて出た言葉が
「わかりました。お引き受けしますね」
 
自分でもびっくりした。
でも受けたからにはやらねば...
翌日からひたすらスコアと向き合い、テキストを読む。
とにかく時間が足りない!
これほどまでに我を忘れて楽譜を読み込んだのは実に久しぶり。
 
そもそも譜読みには (ここまで勉強しておけば充分) などという目安はない。
いくらやっても不安は消えないし、理解が深まれば深まるほど新たな疑問も出てくる。
そんな思いを抱きながらも僕の頭に浮かんだのは
(よし、行けるとこまで行ってあとは「その場」で考えよう!)
「吹っ切れた」瞬間だった。
 
そして...あっという間に稽古当日に。
キャストの皆さん、素晴らしかった。
ピアニストさんにも終始、ほんとうに助けていただいた。
初対面の歌手の方々と、瞬間瞬間の息遣いから音楽の方向性を定め、運んでゆく作業。
緊張の中にも「音楽するよろこび」を味わうことのできた、得難い6時間であった。
 
この一週間、一つの作品だけに集中してひたすら読譜するという久々の体験をさせていただいた。
さしあたって一打席のみの代打出場だったが...お役に立てただろうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 23:59| Comment(0) | 日記

2018年11月03日

街角できく日本歌曲

 
日本のうたカフェ Vol.1 を聴く。
(10/27、@Cafeしばしば)
アップライトピアノの置かれた小さなカフェ、そのフロアスペースをガガッと(?)配置替えして開かれたコンサート。
 
この演奏会を企画された
ソプラノ・和泉聰子さん
 
ソプラノ・丹羽京子さん
 
ソプラノ・三浦恵里加さん
 
ピアノ・山ア範子さん (写真右端)
 
 
プログラムは次のとおり。
 
§第1部
・ちんちん千鳥 (北原白秋/近衛秀麿) I
・お菓子と娘 (西條八十/橋本國彦) I
・初恋 (石川啄木/越谷達之助) N
・地球の仲間 M
・誰かがちいさなベルをおす M
・さびしいカシの木 I
(以上3曲 やなせたかし/木下牧子)
・さざんか (藪田義雄/猪本隆) N
・わかれ道 (きねたるみ/猪本隆) N
 
§第2部
♪みんなで歌いましょう♪コーナー
・小さい秋みつけた (サトウハチロー/中田喜直) 
・まっかな秋 (薩摩忠/小林秀雄)
 
・サルビア (堀内幸枝/中田喜直) I
・小さな空 (詞/曲 武満徹) M
・さいごのばん (みずかみかずよ/なかにしあかね) I
・落葉松 (野上彰/小林秀雄) M
・夕焼け (高田敏子/信長貴富) N
 
なんと魅力的な選曲・構成だろう!
古典的名曲から新しい作品までを巧みに散りばめつつ、いわゆる「耳に馴染んだ」メロディだけに頼ることなく「難解であっても高い芸術性をもつ」歌曲もしっかりと聴いていただく、という強い理念が根を張っているように感じたのである。
 
 
会場の雰囲気...歌手と聴衆とのこの近さ!
 
 
それぞれに豊かな個性をお持ちの3人の歌声、おおいに楽しませていただいた。
そして、それらを引き出し支えた山アさんのピアノもほんとうに素晴らしかった!
決して万全のコンディションとは言えぬカフェのアップライト (マスターTさんゴメンナサイ) から紡ぎ出される美しい音とタッチ (ことにppの響き!) は単なる伴奏の域をはるかに超えていたと思う。
 
コンサートホールのようなある種非日常の空間ではなく、街のカフェというより ”ふだん着“ 的なシチュエーションでクオリティの高い音楽に触れることができる...
こうした意味で今回の企画は真に意義深いものだと感じた。
来年以降も第2弾、第3弾が予定されているようである。
期待しよう。
 
終演後、出演者の皆さんと
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 23:22| Comment(2) | 日記

2018年10月24日

演奏会のお知らせ

 
これから出演予定のコンサートのご案内です。
 
 
§立川市民オペラ公演2019
§ヨハン・シュトラウスU世作曲 喜歌劇「こうもり」
(全3幕・字幕付き原語上演・日本語台詞)
 
2017年3月16日(土) 17:30開演 /17日(日) 14:00開演
たましんRISURUホール (立川市市民会館) 大ホール
 
総監督:砂川稔
演出:直井研二
指揮:古谷誠一
管弦楽:TAMA21交響楽団
合唱:立川市民オペラ合唱団
副指揮:小澤和也 他
 
キャスト (16日/17日)
アイゼンシュタイン 大澤一彰/青蜻f晴
ロザリンデ      小川里美/鳥海仁子
フランク       照屋博史/大川 博
オルロフスキー    岡村彬子/鳥木弥生 
アルフレード     金山京介/吉田 連
アデーレ              栗林瑛利子/佐々木麻子
ファルケ       田智士/大槻聡之介
ブリント       持齋寛匡(両日)
イーダ        今野絵理香(両日)
フロッシュ           松山いくお(両日)
 
 
チケット情報など、追ってお知らせいたします。
みなさま、どうぞおはこびくださいませ。
 
 
(プローべ終了後、合唱団の皆さんと)
 
posted by 小澤和也 at 08:20| Comment(0) | 演奏会情報

2018年10月23日

ご来場御礼

 
 
湘南アマデウス合唱団・合奏団
第20回定期演奏会
大勢のお客様におはこびいただき無事終演。
(10月20日、藤沢市民会館大ホール)
 
2014年の「ハフナーセレナード」以来、4年ぶりの客演であった。
僕が担当した前半のプログラムは
ベートーヴェン/劇音楽『エグモント』序曲
ハイドン/交響曲第82番『熊』
という名曲中の名曲。
特にエグモントは僕にとって特別な作品である。
その名称のとおりにモーツァルト (そしてほぼ同世代のハイドン) の音楽を得意とするアマデウス合奏団の皆さんに、今回はぜひ「ベートーヴェンの響き」を究めてほしい、その一念でプローべを重ねてきた。
そしてその結果は...
客観的評価はもちろん演奏を聴いてくださった方々に委ねるしかないのだけれど、僕は今回の演奏に充分な手応えを感じることができた。
特に内声部 (2ndヴァイオリンとヴィオラ、管楽器だとクラリネットやファゴット、ホルンetc.) はこの5ヶ月でいっそうの飛躍を遂げたと思う。
 
 
 
ハイドン#82ではまず楽器の扱いで大いに悩んだ。
ティンパニと対になる金管楽器のパートについて、作曲家は総譜に「2本のホルン “または” トランペット」と記しているのだ。
(厳密には楽章毎にもう少し細かな指示がなされている)
しかもその音域は、ホルンにしか出せない低音域からトランペットにより相応しい高音域までが求められている。
熟考の末、今回の演奏ではホルン&トランペットを各2本用い、場面に応じ適宜どちらかを省くというスタイルとした。
(その取捨選択には当然ながら私意が入り込んでいる...天国のハイドンがそれを赦してくださることをひたすら願うばかりだ)
 
 
(合奏団リハーサル直前の一コマ)
 
ユーモアと機智に溢れたハイドン中期のこの傑作に対し、アマデウスの皆さんは柔軟かつ真摯に向きあっていらした。
縦横無尽に翔けるヴァイオリン、『熊』のニックネームの由来にも繋がる一見シンプルだが表情豊かな音を奏でる低弦、しばしばsoloisticに浮かび上がる木管群などが絡み合い、実に様々な表情を見せてくださったのだ。
 
2曲とも、技術的には完全とは言えないながらも積極的な表現意欲に満ちた佳い演奏だったと思う。
合奏団はこのあと合唱団とモーツァルト『戴冠ミサ』他を共演 (指揮は合唱団の堀部隆二氏)、文字通り八面六臂の大活躍であった。
合奏団・合唱団の皆さん、お疲れさまでした。
 
(『戴冠ミサ』リハーサル風景)
 
 
そして、ご来場くださいました皆さまに心より御礼申し上げます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 17:14| Comment(0) | 日記